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高入居率背景に家賃値上げ提案へ/大東建託

 大東建託(株)は4月27日、2018年3月期決算説明会を開き、代表取締役社長の熊切直美氏が業績や今期(19年3月期)計画について説明した。決算数値は4月24日のニュースを参照。

 当期は、上期に受注が伸び悩んだものの、3月単月で前年同月を大きく上回る1,100億円超の受注高を上げるなど後半盛り返し、通期では6,510億円(同0.6%減)と微減にとどめた。受注残高も8,953億円(同0.1%減)とほぼ前年並み。

 新規顧客からの受注獲得を強化したが、受注比率は新規顧客32.5%(同4.1ポイント低下)、既存顧客67.5%(同4.1ポイント増)となった。また、過去の同社施工物件が建て替え期を迎えていることや、前年よりOB顧客向け営業の専門部隊を設けたことなどが奏功して建て替え比率も上昇傾向にある。

 「3月の受注好調は、4月から商品スペックをアップしたことに伴う値上げがあり、その駆け込み需要があったことは否めない。サブリースや賃貸供給量に関するネガティブ報道や、競合他社の訴訟問題などによって年間を通じて市況は低調で、新規需要も伸びなかった」(熊切氏)として、今期については新規顧客の受注比率40%への回復を目指す。

 一方で、不動産事業に目を向けると、3月末時点の件数ベースの入居率が居住用98.4%(同0.5ポイント上昇)、事業用97.7%(同0.1ポイント上昇)と、過去最高を記録するなど好調。入居あっせん件数も居住用29万3,340件(同5.3%増)、事業用2,678件(同3.8%減)となった。

 熊切氏は、高い入居率を背景に、積極的に家賃の値上げを提案していくと明言。「年間約25万件の入居者入れ替えのうち、立地や物件の競争力等を勘案して値上げに踏み切れるのは3割程度とみている。条件の良い物件については積極的に家賃上昇にチャレンジしていきたい」と語った。

 なお、同社は取締役の60歳定年制を採用しており、今年60歳を迎える熊切氏は19年3月末で社長を退任する予定。


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