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ビルオーナー、中長期的展望で「悲観派」が41%

 (株)ザイマックス不動産総合研究所は17日、「ビルオーナー実態調査2019」の結果を発表した。早稲田大学建築学科の小松幸夫研究室と共同で、中小規模ビルを保有するビルオーナーに対し、アンケートおよびヒアリング調査したもの。全国政令指定都市(21都市)が対象。調査期間は19年6~11月。有効回答数はアンケートが1,106社、ヒアリングが26社。

 賃貸ビル事業者のオーナー(経営者)の属性は、年齢は60歳以上が6割を占めた。賃貸ビル事業歴は、31~40年(21%)が最も多く、21~30年(19%)、41~50年(18%)と続いた。保有棟数は1~2棟が約6割だった。
 保有ビルのスペックは、大きさは300坪未満(259棟)が最も多く、次いで501~1,000坪(219棟)、1,001~3,000坪(207棟)に。築年数は、31~40年(288棟)が最多で、約80%のビルが築20年以上だった。

  賃貸ビル事業の業況について、1年前から現在については、「良い」(49%)、「さほど良くない」(46%)、「悪い」(5%)となった。しかし、今後の見通しについては、短期的(今後3年程度)には「楽観派」が34%で「悲観派」の20%を上回ったものの、中長期的(5~10年後)には「悲観派」(41%)が「楽観派」(15%)を大きく上回る結果に。こうした傾向は大阪市を除く各都市でみられ、大阪市は、インバウンド需要によるまちの活性化や、大阪万博、IR構想、リニア延伸等の影響を見込み楽観派が増加しているとみている。

 ビルの価値向上のための施策については、「設備の省エネ化」、「エントランス等の共用部分の内装リニューアル」、「維持管理の質向上」の順で実施率が高かった。


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