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23区オフィス需要、新規賃借は例年並み

 森ビル(株)は23日、「2020年 東京23区オフィスニーズに関する調査」結果を発表した。東京23区に本社が立地する企業で資本金上位の1万865社(同社テナントを除く)を対象に実施。調査期間は10月16日~11月6日で有効回答社数は1,727社。

 新規賃借予定のある企業の割合は24%となり、その約5割が1~2年以内を予定。新規賃借の理由は「賃料の安いビルに移りたい」(37%)が1位。昨年トップだった「新部署設置、業容・人員拡大」は8位と大きく後退した。一方、新規賃借予定のうち「面積拡大予定」が33%、「変更なし」が25%、「縮小予定」が42%となっており、縮小予定の割合が高まっているものの、積極的な賃借意向も相応にあるとみられる結果となった。
 希望エリアについては、「日本橋」(20%)、「虎ノ門」(15%)、「新橋」(14%)の順に。複数の大規模再開発の開業等によりエリアの利便性や注目度が高まったことが影響したとみられる。

 過去1年間で賃料改定があった企業はおおよそ例年通りの23%。直近の賃料改定については賃料増額となった企業が約9割となった。

 コロナ禍における働き方やワークプレイスの変化について、本社オフィスの変更の方針を決定している企業は11%、検討中を含めても26%にとどまった。在宅勤務を導入している企業の割合は前年の28%から73%と大幅に増加し、コロナ禍を機に導入した企業は64%に上った。フリーアドレスは19%から28%に、オープンなミーティングスペースも41%から51%に増加している。
 現在の出社率およびコロナ禍収束後の予想出社率予想は、出社率80%以上の企業では、現在の平均が42%に対し、コロナ禍収束後の予想では57%となっている。50%未満の企業では現在24%で、コロナ禍収束後は10%に留まる。また、コロナ禍収束後の従業員数に対する個人テスク数の予想は、約8割の企業が従業員数の80%以上と予想した。

 SDGsへの取り組みについて、すでに取り組み済みもしくは予定や意向がある前向きな姿勢を示す企業が、前年の65%から73%に増加。就業者数300人以上の企業では約9割がSDGsへの取り組みに対して前向きな姿勢を示した。取り組みへの課題については、「取り組むための人手不足」(39%)、「費用対効果が見込めない」(29%)、「社内での理解度が低い」(28%)などが上位に挙がっている。


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