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関係人口の拡大・深化へ最終とりまとめ

 国土交通省は30日、「ライフスタイルの多様化と関係人口に関する懇談会」(座長:小田切 徳美明治大学農学部教授)の最終とりまとめを発表した。

 住や観光でもなく、単なる帰省でもない、日常生活圏や通勤圏以外の特定の地域と継続的かつ多様な形で関わり、地域の課題の解決に資する人などを「関係人口」として整理。多種多様な関係人口のが存在し、関係人口の来訪が多い地域は三大都市圏から移住も多く、それらの地域では外部の人を受け入れる環境が整っているものと思われると指摘。またふるさと納税、クラウドファンディング、情報発信など、非訪問タイプの関係人口も一定数存在するとし、そして関係人口には多面的な機能や関係性のレジリエンス機能が存在しているとした。

 関係人口と地域づくりの関係については、余白ともいえる「関わりしろ」が重要だと指摘。多種多様な関係人口の存在が地域住民や他の関係人口を触発し、地域づくりへの直接的な寄与を促進することを確認した。なお、地域への無関心層が多数存在することから、地域に対する興味を増進させる取り組みが重要であるとしている。

 関係人口の拡大・深化については、地域の実情に応じた関係人口と地域の連携・協働のあり方を模索することなどの重要性について指摘しており、関係人口と地域の人とのつながりをサポートするためには、関係案内人等の「人」、関係案内所等の「場」、イベント等の「仕組み」が重要であるとした。

 必要な施策の方向性については、関係案内人、中間支援組織などが行なう取り組みを適切にバックアップすること、地域に対する理解・興味の増進、国や地方公共団体が地域に対して行なう人的支援などを挙げた。


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