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長期展望等踏まえ、新たな国土計画の検討開始へ

 国土交通省は2日、第23回「国土審議会」(会長:永野 毅氏/東京海上ホールディングス(株)取締役会長)を開催した。

 国土審議会では、国土交通大臣の諮問に応じて国土の利用、開発および保全に関する総合的かつ基本的な政策についての審議等を行なっている。

 今回の審議会では、同審議会傘下の「計画推進部会」を廃止、新たに「計画部会」を設立し、今後10年を見据えた新たな「国土形成計画」および「国土利用計画」の検討を、「計画推進部会」の傘下にあった「国土の長期展望専門委員会」や「国土管理専門委員会」のとりまとめ(いずれも6月発表)などを踏まえ、進めていくとした。中でも柱となる国土の長期展望では、デジタルを前提とした国土の再構築を進め、「真の豊かさ」を実感できる国土を目指し、そのためには「ローカル」「グローバル」「ネットワーク」の3つの視点が重要であるとしていた(詳細は6月16日付のニュース参照)。

 同審議会において赤羽一嘉国土交通大臣は「自然災害、カーボンニュートラルなどのほか、新型コロナウイルスによる都市部の過密問題など新たな課題に直面している。その中で非対面・非接触による新しい生活様式が普及し、場所の制約がないコミュニケーションの促進によるテレワーク・ワーケーションの普及、環境が良く広い家への志向が高まったことによる地方移住・二地域居住など、新たな動きも出ている。
 こういった変化を踏まえ、真の豊かさのある国土の実現に向けた3つの視点について議論していただきたい」と述べた。

 委員からは「国民一人ひとりの行動につながる実行性の高い計画をつくるべき」「人口減少が進む地方が希望を持てる課題の解消と具体的な対策が必要」「4つ目として『セーフティ』の視点が必要ではないか」などの指摘があった。

 なお、6月7日に決定した所有者不明土地等対策の新たな基本方針では、所有者不明土地特措法の施行後3年経過の見直しを国土審議会で検討し、12月頃にとりまとめ、次期通常国会に必要な法案の提出を目指すことが示された。今回の審議会では、所有者不明土地の円滑な利活用・管理の確保を図るための仕組みの拡充、管理不全土地・低未利用土地の利活用・管理を図るための仕組み等の検討事項を共有した。


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