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22年下期の不動産取引規模、約2兆1,000億円に

 (一財)日本不動産研究所は11日、「不動産取引市場調査」(2022年下期)の結果を公表した。JREITや東京証券取引所等の公表事例を独自に集計し、01年上期以降、約3万3,800件の取引事例を収集してデータベース化している。

 22年下期の不動産取引市場の規模は、金利上昇への警戒感などから約2兆1,000億まで減少した。なお、市場規模は07年上期に約3兆円に達しピークを迎え、リーマンショックが生じた08年下期には約1兆円程度まで縮小。13年上期の金融緩和政策開始以降は大幅に取引が増加し、おおむね2兆円超えの状況を維持している。

 アセットの構成については引き続きオフィスの割合が高いが、22年下期については「大手町プレイス」(東京都千代田区)の影響が大きく、オフィス取引自体が増加しているわけではない。一方、将来の成長性やインバウンド回復に期待する物流やホテル等の取引は、依然として活発な状況が継続。

 取引主体は、21年までJREITは一貫して買い越しを維持しており、JREITへの物件集約が進んでいる。JREITが一度不動産を取得すると、売却するケースは限定されることから、市場での需給バランスは安定化してきた。しかしながら、22年はインベスコオフィスジェイリート投資法人の物件売却や、JREITの取得金額の減少等により買い越しが減少。一方で、SPC・AM(私募ファンド等)の買い越しが増加しており、市場の私募化が進んでいることがうかがえる。

 外資系プレーヤーの取得金額については、コロナ禍以降も取引が目立ち、22年上期は約1兆1,000億円に。過去最高額となったが、22年下期は金利上昇への警戒感等から約4,500億円まで減少した。


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