海外トピックス

2019/3/1

vol.354 ゴルフカートで移動する香港の特別居住区【香港】

 香港は世界有数の人口密集地であり、人口密度は世界で4番目に高い。20階以上の高層集合住宅が立ち並び、人口約740万人の約99パーセントはこの高層住宅に住んでいる。空港があるランタオ島の東側に位置する総面積6.5㎢のディスカバリーベイという地域は、5階建ての低層フラットが点在し、海と山に囲まれて、車乗り入れ禁止。香港でいて香港らしくない特別居住区の紹介をする。

タイガーズヘッドの山頂から見下ろすディスカバリーベイの全景

車の代わりのゴルフカート、そのお値段とは!?

 この地域の魅力のひとつであるのが、車乗り入れ禁止だということ。地区内での移動の手段は徒歩か自転車かこの地区を巡回するバスに乗るか、ゴルフカートだ。このゴルフカートを購入する権利があるのは、この地区に物件を所有する者のみ。

ゴルフカートとバス用の車道、バイクレーン、歩道があるメインストリート

 台数が約500台と限られているため、需要によって値段は変動するが、2019年1月現在では一台200万香港ドル(約2800万円)以上である。オーナーと個人契約を交わし、月8000香港ドル(約11万円)からレンタルをすることも可能だ。メンテナンス費用がかかる不動産に比べてコストもかからず手軽にできるため、投資目的で購入される場合もある。

ガレージのない家用のゴルフカート駐車場

 ゴルフカートは地域内の一般道を運転するため、運転する者は香港の運転免許書が必要である。速度制限が設定され、専用の駐車場が設置されているため、違反すると罰金が科せられる。ここで運転するゴルフカートのライセンスはこの地域だけのものなので、この地域以外での運転はできない。

フェリーやバスでもアクセスがあり便利

 香港島の中心地であるセントラルとディスカバリーベイを結ぶフェリーは24時間運航され、住民の通勤や通学の足としても使われている。無料wifiが入り、トイレもある乗船時間30分、約400人乗りの大型フェリーでの移動は快適である。そのほかにも最寄りのMTR(地下鉄)への乗車時間20分のバスは約20間隔で出ており、MTRでの香港各地へのアクセスに繋がる。地域内には循環バスが7路線、約10分おきに走っている。

香港では珍しいローライズやガーデンハウスも多い

 香港リゾートカンパニーが1982年ごろから開発したこの地域は山と海に囲まれ、家も低層や庭つきが多く香港では珍しい。約2万人の住人のうちの半分以上が外国人であり、その中でも欧米駐在員家族が多くを占めている。400メートルのビーチ沿いには一階が庭付きのガーデンフラット、4階の最上階にはテラスがついているフラットが並んでいる。

ハイキングトレイルの入り口のひとつ

 スペースがあり、散歩に適しているトレイルがある環境のため、香港の他の地域に比べ犬を飼っている住人率が高く、道路沿いには糞を入れる箱が100~200メートルおきに設置されている。スーパーマーケットの棚には種類豊富な犬や猫の餌が並び、店の外には犬をつないでおける待機場所もある。獣医も常在し、ペットも大事なコミュニティーの一員となっている。

スーパーマーケットの出口付近にある犬の待機所

コミュニティー内に生活に必要なものは全て揃っている

 地域には香港政府の公立小学校をはじめ幼稚園からセカンダリースクール(日本の中学・高校)の一貫教育を受けらえるインターナショナルスクールが2校あり、地域外からも通学している。地域外への通学はスクールバスを利用する。

インターナショナルスクールのキャンパスの前にあるゴルフカートの駐車場は送り迎えの時間帯は混み合う

 コミュニティーにはDBプラザとDBノースプラザの2つのプラザがあり、そこにはスーパーマーケットをはじめ、医療クリニックや歯科、美容院やレストランが揃っている。ディスカバリーベイへの入り口のトンネルには2013年にはホテルもオープンし、そこまでのタクシーの乗り入れは許可されている。

 3つある会員制クラブに入会するとテニスコートやスイミンングプール、ジムの施設を利用できる。そのなかのひとつであるゴルフクラブは18ホールあるコースと打ちっぱなしも使用できる。週末にはビーチやハイキングの小旅行気分を求めてくる人たちで海沿いのプロムナードのレストランやカフェバーは賑わう。

ライフスタイルを重視

 自家用車が通っていなく、山と海に囲まれた自然があるDiscovery Bayは、頭文字のDBをとって、Dogs and Babiesのいる家庭にとって住みやすいと住人は言う。都会の喧騒からは離れたいけれど、不便ではない距離で、空間と自然を満喫したい人にとっては理想のコミュニティーである。

りん みゆき

1994年より香港在住。外資系航空会社のフライトアテンダント、日本語教師を経て、現在はライター、通訳、コーディネーターとして活動している。海外書き人クラブ会員。www.aconnect.jp

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お知らせ

2019/7/9

「記者の目」更新しました

「事故物件」の流動化に挑む」更新しました!
最近、よく耳にするようになった「事故物件」。心理的瑕疵の心配があることから取引を避ける不動産仲介会社が多く、市場に出回っても不当な安さで買い叩かれるなど、物件所有者の苦労は計り知れない。「事故」の内容が自殺や殺人事件ならともかく、自然死(孤独死)までもが同一視されるために、超高齢化社会の日本において、頭を悩ませるオーナーがますます増加することも想像できる。今回は、そうしたオーナーを救うためにつくられた事故物件専門サイト「成仏不動産」に注目。運営会社を取材した。