ナショナル住宅産業(株)は25日、住宅産業を取り巻く社会構造の変化や、新設住宅市場の縮小など、昨今の事業環境に対応した経営構造の改革に取り組むことを明らかにした。
今回の方針では、事業構造の改革として、2002年10月1日をめどに同社と同社販売子会社(パナホーム子会社)など主要な連結子会社を経営統合し、「商品開発・製造・販売・施工・サービス」が一体となって顧客のニーズにスピーディーに対応できるようにする。統合と同時にナショナル住宅産業(株)の社名を「パナホーム株式会社」と変更し、商品ブランドと社名の一本化を図ることでブランド力を更に向上させる。また、コスト構造の改革では、グループ人員、生産体制、販売拠点などの見直しを行ない、2002年・2003年の2年間で約160億円のコスト削減を実行して赤字からの脱却と新設住宅市場の縮小に耐え得る経営体質を確立。さらに販売力の強化策として、「CS(顧客満足)体制強化」「リフォーム事業強化」「賃貸住宅事業強化」をあげ、人員を重点的に再配置させる。同社は2002年度に以上の経営構造改革を徹底的に実施し、創業40周年となる2003年度には連結経常利益の黒字化、2004年度には100億円の連結経常利益をめざすとしている。
また同日、2001年10月29日に発表した2002年3月期の業績予想を下方修正した。
今回発表した3月期単体予想数値は、売上高1,520億円(前回発表予想1,560億円)、経常利益▲32億円(同▲25億円)、当期純利益▲68億円(同▲21億円)に修正された。
連結予想数値は、売上高2,530億円(前回発表予想2,580億円)、経常利益▲84億円(同▲80億円)、当期純利益▲106万円(同▲87億円)に修正された。
修正の要因として同社は、早期退職制度の運用にともなう割増退職金の支払い、分譲用土地評価損などをあげている。なお期末配当金については、剰余金を取り崩し7円50銭(年間15円)の配当を継続する。