三井不動産系の日本ビルファンド投資法人は20日、「2002年6月期決算」を発表した。
当期(資産運用期間2002年1月1日~6月30日)運用状況は、営業収益は112億5,900万円、営業利益は50億700万円、経常利益は44億9,300万円、当期利益は44億9,200万円であった。1口あたりの分配金は予想時より343円増額の16,003円、分配総額は44億9,200万円、配当性向は100.0%。なお、前期比等は、前期決算が実質資産運用期間223日間と変則決算であったため、今回は発表していない。
同投資法人では、当期に「中野坂上サンブライトツイン」「サンマリオンNBFタワー」の2物件を取得。これら新規稼働による収益7億200万円と、前期に取得した24物件の通期稼働により、賃貸事業収入は26棟合計で112億5,900万円。なお、期末稼働率は97.4%(前期比▲0.1%)、期中平均稼働率は97.4%(同0.4%増)であった。同投資法人では、前期に続き高い稼働率を維持した大きな要因に、三井不動産の高い営業力を挙げており、次期も引き続き三井不動産の営業力を最大限に活用し、テナント営業を行なっていくとしている。また、「2003年問題」を視野に入れた建物管理コストの削減計画を策定。2003年度を目処として10%以上の建物管理委託費を削減する方針で、すでに半数近くの物件で実施しており、その効果が今回の業績予想を上回る当期利益に大きく寄与したとしている。
投資主については、前期に全体の14.9%であった個人の投資家が、16.1%に増加。当初より投資主を個人に広げたいとしてきた同投資法人としては、望ましい傾向にあるとの見解を示した。また、REITの商品性をよく理解している外国人株主の増加も目立ち、全体の21.5%を占めた。
次期については、当期取得した新規2物件の通期稼働や、「芝NBFタワー」の大型テナントであるT&Dフィナンシャル生命からの解約金5億7,000万円等の計上により、営業収益116億5,300万円、営業利益49億6,200万円、経常利益42億7,300万円、当期利益42億7,200万円、1口当たりの分配金は15,220円を予想。期中の平均稼働率については、オフィスマーケットの悪化を織り込み95.6%と見込んでいる。
J-REIT上場からまもなく1年。会見に出席した西山社長は、「2001年9月の上場以降、当投資法人はおおむね堅調に推移している。5銘柄それぞれの特徴が明確になってきたが、われわれは今後も『長期かつ安定的な運用を行なうファンド』を根本とし、物件取得、資産の運用を行なっていく」と話し、「2003年問題」に話題がおよぶと「2003年7月~12月が底になると見ている。そのボトムに向けた対応を今からしていきたい」と、その克服を短期的な目標に掲げていることを明らかにした。