(株)矢野経済研究所は27日、国内住宅リフォーム市場の調査分析結果をまとめた「2002年版 住宅リフォーム市場の展望と戦略」を発表した。
同調査は、住宅リフォーム主要企業20社を対象に、直接面接方式で実施。調査期間は2002年5月から7月。
これによると、2001年の住宅リフォーム市場の市場規模は7兆445億円(対前年比▲4.2%)で、大規模なリフォーム工事件数と単価が下がっていることが前年比減少の要因となった模様。中でも大きく減少したのは、10平方メートル以上の増加改築工事で、市場規模は1兆7,200億円(同▲13.3%)であった。なお、設備修繕・維持関連費用は4兆4,819億円(同▲1.2%)。唯一前年比を上回ったのは、家具・インテリア等費用で市場規模は6,422億円(同5.7%増)、これは1世帯当たりの出資増と世帯数増が起因したもの。
同社では、これら調査結果をもとに住宅リフォーム市場の将来推計を、2002年で7兆3,684億円、2005年で8兆800億円、2010年で9兆3,500億円、2015年で10兆6,000億円、2020年で10兆7,000億円と予測。これは住宅リフォーム市場の市場規模が人口数・世帯数の伸びに比例することが見込まれるため。そのため2010年までは顕著な伸びを示すものの、2015年以降は横ばいで推移すると予測している。
また、住宅リフォーム市場の方向性も分析。事業展開については、異業種の参入や乱立する店舗に落ち着きが見られる一方で、住宅メーカーでは、自社で建てた物件のアフターメンテナンスの延長上に住宅リフォームを位置づけ、顧客を囲い込む動きが目立ち、今後もその傾向が強くなると見込まれる。商品戦略は、工期の短い商品、廃棄物の少ない商品、収納率アップなど商品導入後の良さが明らかなものが主流となってくると分析。また、パック商品は「価格・工期明確パック商品」「提案型パック商品」の2極化が進むのではないかと予測している。営業手法については、従来からの地域密着営業が基本で、FC展開よりも直営店舗展開が優勢とみている。施行体制は、営業担当の「多能工化」が進む傾向に。リフォーム事業者としては、契約している専門工事業者の選定を、施工技術が優良なうえ接客マナー等にも長けている業者に絞り込む動きが進むものとしている。資材物流については、取り扱い部材の集約化が進み、すでにリフォーム資材部門での一括購入に向けた動きが出てきている。