ニツセキハウス工業(株)は30日、同日開催の臨時取締役会において民事再生手続開始の申立てを行なうことを決議し、東京地方裁判所に申し立てを行なったことを明らかにした。
プレハブ住宅メーカーとして事業を展開してきた同社は、総合ハウスメーカーとして業容拡大をめざすとともに工場を中心とした投資を行なってきたが、思うような成果が得られず過大な有利子負債を抱えるに至った。メインバンクであるみずほコーポレート銀行の協力のもと、数度にわたり組織集約やアパート事業への特化など経営再建計画を策定、2002年4月以降は、主要株主や主力金融機関に対する支援要請を含めて事業計画の見直し図るなど、再建に向け尽力してきたが、最終的な再建計画の策定には至らず、民事再生手続きを申し立てる運びとなった。
2002年9月末日時点での負債総額は175億1,312万円。今後は、(株)マキテック(名古屋市熱田区、社長:真木伸一氏)およびそのグループ会社に営業譲渡を行なう予定。
また併せて、連結子会社であるニツセキ開発(株)(東京都港区、社長:神農雅嗣氏)の同社保有全株式を(株)マキテックおよび(株)デ・リードコーポレーション(京都市下京区、社長:神農雅嗣氏)に譲渡することを決議し、同日契約を締結したと発表した。
同社では、民事再生手続き開始による影響がマンションの分譲、開発等の事業を手がけてきたに当該子会社にもおよぶものと鑑み、株式譲渡を決定した。しかしながら当該子会社と同社との間には、直接事業上のつながりはないため、今回の株式売却による同社および関連会社の業務および民事再生手続に何ら支障は生じないとしている。
異動前の同社所有株式は1,900株で、10月30日付けでマキテックおよびデ・リードコーポレーションにそれぞれ950株譲渡する。