(株)東京カンテイは10月31日、新築および中古マンションを同社独自のマンション収益指標「マンションPER」で比較した、首都圏の駅別「収益力」調査・分析結果を発表した。
「マンションPER」とは、マンション1戸あたりの収益力を示す東京カンテイ独自の指標で、マンション価格(評価額)を年間の賃料(収益力)で除したもの。同調査においては、築年数による中古マンション流通価格のばらつきを排除するため、新築と中古の価格差から年間の「下落率」を算出し、10年後の中古理論価格を出して調査基準としている。
同調査によると、収益率の高い駅は小田急線「代々木上原」駅、営団銀座線「表参道」駅、JR山手線「渋谷」駅など山手線の内側および周辺地域に集中している。特徴としては、賃料相場が20万円以上と賃料自体が高水準であり、居住ニーズとともに商業性も高い。また、いずれも全国的に知名度の高い“人気駅”が大半を占めているが、一部には新築と中古の価格差が小さいため、結果として東急東横線「自由が丘」駅のように収益力が高くなる駅もあった。
また、ローンを返済しても高収益が得られる駅は(1)新築時のマンションPERが良い(低い)、(2)中古流通価格が新築と比べ下がりにくい、(3)価格が安くローン負担額が小さい、の3つが同時に揃っていることが条件となっており、上位ランクされた駅はいずれも新築マンションPERが低い。
これらの結果から、新築PERが低い駅は価格が下がりにくくなるため、いわゆる“お買得駅”であることがわかる。今調査では、1位がJR山手線「上野」駅、2位がJR京浜東北線「蒲田」駅、3位が「自由が丘」駅であった。