住友林業(株)は6日、豪州のMDF(中質繊維板)製造の有力メーカーDominance Industries Pty Ltd.(ドミナンス)社(ビクトリア州ワンガラッタ市)を買収することで合意したことを発表した。
MDFは、木質資源の有効活用とともに、優れた寸法安定性・加工性から世界的に需要が拡大している木質建材。同社では、海外事業をコア事業に育成すべく環太平洋を中心に基盤拡充を図っており、中でも、MDFについては、ニュージーランドで製造するなど積極的に対応してきた。買収が決定したドミナンス社は、1996年からMDFの製造・販売を開始し、近年は年10%ずつ売上を伸ばしており、2002年の売上高はAUD50.8百万(約35億円)に達する見込み。今回の買収により同社は、ニュージーランドの生産拠点と合わせると生産能力は年に500,000立方メートル超にのぼり、環太平洋最大の生産量を持つことなる。また、各々の市場を共有することにより、生産効率の向上など、シナジー効果も期待できると見ている。
買収総額は58億円で、同社オーストラリア子会社のスミリンホールディングスが持ち株の50%、同スミリンインベストメンツが50%を保有し、2社の子会社となる。買収手続きはオーストラリア当局の認可を得て、11月下旬に完了する予定。社名については、買収後変更する予定としているが、現在のところは未定という。