明和地所(株)は19日、同社が分譲したマンション「クリオレミントンヴィレッジ国立」(東京都国立市、総戸数49戸、地下1階地上14階建て)に対する建物撤去等の東京地方裁判所の判決に承服できないとし、控訴する方針であることを明らかにした。
本訴訟の原因および経緯は次の通り。同物件建設に反対する近隣住民関係者らが、2000年1月24日に東京地裁八王子支部に、同社および施行会社に対し建築禁止の仮処分命令を申し立てたところ、同支部は同年6月6日付けで「申し立て却下」を決定。これに対し原告側は、同月19日に原決定の取り消しを求めて東京地裁に即時抗告を申し立てたが、東京地裁は同年12月22日に原審を支持、「本件抗告を棄却する」と決定した。原告らは、これを不服とし、2001年3月29日に「建築物撤去等請求事件」訴訟を提起。2002年12月18日に原告の請求を支持する判決が下った。
今回の判決内容は、大学通りに面した東側に位置する1棟について、高さ20メートルをこえる部分を撤去し、原告のうち3人に対して、撤去が終わるまで月額1万円の支払いと、金900万円および2001年4月12日から支払済まで年5パーセントの割合による金員の支払いを命じたもの。
これに対し同社は、建築基準法に抵触する違法建築物であるか否かについては、明確に「適法建築物である」との判断がなされている。一方で、新しい観点である景観の利益が認められたことについては、行政当局の指導を尊重し真摯に対応してきたとしており、判決は遺憾かつ承服できるものではなく、控訴する方針を固めている。
なお、今回の判決が業績に与える影響については、分譲部分の建築物の適合性が認められており事業計画に支障はないとしており、業績修正は行なわない方針。