ミサワエムアールディー(株)は24日、4大都市圏を中心とした2003年4月の「MISAWA-MRD不動産流通市場調査」の結果を発表した。
これによると、首都圏については、宅地・一戸建てはともに引合件数の「増加」がそれぞれ前月比▲8.1ポイント・▲5.2ポイントとやや減りつつも緩やかな増加傾向を維持している。好調な市況が継続しているものと思われる。需給状態では、買手の存在を示す「売手市場」および「両者ともいる(売手・買手ともにいる)」の回答合計が、宅地では5割超を、一戸建てについては4割超と潜在需要の根強さがうかがえる。一方、中古マンションについては、需給状態で買手の存在を示す「売手市場」および「両者ともいる(売手・買手ともにいる)」の回答合計が大きく減って2割台となり、再び低調となった購買需要を受けて引合件数も減少傾向を強めている。このため、価格動向の下降基調が続いている。
中京圏では、宅地の引合件数・成約件数では需要期のピークを過ぎて「増加」回答は減りながらも増加傾向を維持、市況は好調に推移している。需給状態で買手の存在を示す回答合計は5割にせまり、わずかながらも改善がみられる。一方、中古マンションは、買手の存在を示す回答が2割に満たない状況が続いており、これにともなって引合件数・成約件数にも改善の動きはみられず、低調な市況が続いている。
近畿圏では、宅地での買手の存在を示す回答が再び増えて6割を超え、一戸建てについても、3ヵ月ぶりに5割を超えるなど市況は好調に推移。根強い購買需要を維持するとともに、引合件数・成約件数でも増加傾向で推移しており、価格面でも安定感が強まっている。中古マンションについては、依然弱い勾配需要が続き、引合件数・成約件数についても減少傾向が強まり、改善を続けた市況は再び低下している。
福岡圏では、宅地の購買需要が著しく弱く、市況も低調に推移しているが、一戸建てでは買手の存在を示す回答が5割を超えており根強い購買需要を見せている。これを受け、引合件数・成約件数がともに増加傾向を継続し堅調な動きこそないものの好調な市況が続いている。しかしながら、中古マンションで依然低調な購買需要が続き、引合件数も「増加」と「減少」が拮抗状態にあるなど、市況の改善は見られなかった。
全体的には、春の需要期のピークを過ぎて、宅地・一戸建て市場における引合状況は前月の堅調な動きこそ衰えたがほとんどの圏域で増加傾向がみられ、好調な市況展開が続いている。ただし、購買需要は市場規模による格差があり、首都圏・近畿圏では「買手の存在」を示す回答が継続的に過半数を占めるものの「中京圏」「福岡圏」では低調に推移。特に「福岡圏」では2割を下回り過去最低を記録、同圏の厳しい市場動向がうかがえる。