国土交通省は30日、「宅地・公共用地に関する土壌汚染対策研究会」(座長:寺尾美子 東京大学大学院教授)が取りまとめを行なった「土地取引における土壌汚染問題への対応のあり方に関する報告書」を発表した。
2002年10月に設置された同研究会では、宅地取引や公共用地取得における土壌汚染問題への対応について、わが国における土地取引の実態をふまえ、2003年6月30日までの期間6回にわたって調査・研究を実施。第6回目の開催となる同日、土地取引の安全性および円滑性の確保を目的に、土壌汚染に関する土地取引上のリスクに関する基本的な知識や知恵として広く共有することが望ましい事項について、同報告書に体系的に取りまとめた。
報告書では、土地取引における土壌汚染問題の現状と課題をはじめ、土壌汚染問題への基本的考え方、土壌汚染調査および汚染対策などについて取りまとめられており、特に土地売買契約締結にあたっての留意事項として、土地履歴情報の告知や、土壌汚染に係る瑕疵担保責任の成立要件、損害賠償の範囲などが示された。
また、宅地建物取引業者の留意事項として、宅建業者が媒介を行なう場合、宅地建物取引業法第35条の義務を果たすため、都道府県等の土壌汚染担当部局が調製・保管する指定区域台帳の閲覧等により、対象地が土壌汚染対策法上の指定区域内にあるか否かを確認することが必要としている。
このほか、土壌汚染地の鑑定評価、土壌汚染対策保険等の活用についても盛り込まれた。