不動産ニュース / 政策・制度

2004/3/30

国交省、「公共用地取得における土壌汚染への対応に関する基本的考え方」最終報告を発表

 国土交通省は30日、「公共用地取得における土壌汚染への対応に関する基本的考え方(最終報告)」を取りまとめ、発表した。

 同報告は、「宅地・公共用地に関する土壌汚染対策研究会」(座長:寺尾美子東京大学大学院法学政治学研究科教授)において取りまとめた「公共用地取得における土壌汚染への対応に関する基本的考え方(中間報告)」(2003年4月21日発表)を受け、2003年12月に設置した「公共用地に関する土壌汚染対策研究会」(座長:寺尾美子東京大学大学院法学政治学研究科教授)において調査・研究を進めてきた結果を、最終報告として取りまとめたもの。

 報告書では、公共用地の取得に当たっては、当該土地の取得に伴う適正な損失補償額の算定およびその土地における適切な社会資本整備の前提として、当該土地について社会資本整備を実施する事業者が、事前に土壌汚染の有無およびその状態の確認を行なうことが必要とし、土壌汚染対策方に基づく措置の確認、土地の利用履歴や過去における土壌汚染の調査履歴の確認、事業者による土壌汚染の調査を行なう必要があるとした。

 また、不動産鑑定評価基準に、不動産の価格形成要因として「土壌汚染の有無及びその状態」が新たに例示されたことを踏まえ、公共用地の取得に係る損失補償についても土壌汚染の有無を織り込むべきとの考え方を明示。土壌汚染が存在する土地については、土壌汚染の状況を減価要因として織り込み、土壌汚染が存在しない場合の評価格から一定額を減価すべきとしながら、土地所有者等の生活再建への配慮についても検討すべき場合があるとの考え方を示した。

 さらに、公共用地取得に関連した留意事項として、事業者が土壌汚染対策法第7条の措置を講じた場合に汚染原因者に対し所要の費用を請求することを検討すること、都道府県環境担当部局との連携、地方公共団体の条例への対応についても必要であるとしたほか、心理的嫌悪感等(スティグマ)については、当面、減価要因としては扱わないこととすべきとしている。

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