(株)大京は27日、「マンションの建替えの円滑化等に関する法律」に基づいた建替え事業「上作延第三住宅マンション」(川崎市高津区、事業主:上作延第三マンション建替組合)を起工した。同法による建て替えとしては全国で9番目、神奈川県としては初の事例で、組合施行型の建替えとしては全国初。また、大京でも同法適用の初の建替えプロジェクトとなる(建替え事業は3事例あるが、首都圏では初)。
同マンションは、1966年神奈川県住宅供給公社が分譲。地上4階建て2棟、総戸数は48戸という規模だが、老朽化が進んだことから90年代に入ると建て替え議論がなされ、2002年6月建替え組合準備委員会を設立。同年12月の「円滑化法」施行を経て、04年7月建替え決議を承認した。複数のディベロッパーやゼネコンへの打診を経て、05年2月同社が参加組合員として選出されたもの。
既存権利者48名のうち7名が転居したため、権利者向け住戸は41戸。これに、大京が分譲する50戸を合せ、地上5階建て・総戸数91戸の「ライオンズ溝の口(仮称)」として建て替えられる。大京分譲分は、来年1月より販売を開始する。
今回の建替えについて、建替組合理事長の鈴木啓之氏は「円滑化法の施行と区分所有法改正が、建て替えの契機となった。上層階に住む居住者からはエレベータを設置してほしいという声が多かったし、多くの居住者からは“もう一部屋ほしい”という声も多かった。(大京を選んだのは)こうした居住者のニーズを全面的に受け入れてくれたこと。間取りプランなどは、ほとんどイージーオーダーのような対応をしてくれた」と話す。
また、起工式で挨拶した大京代表執行役副社長の栗原清氏は「当社が始めて分譲したマンションも、もうすぐ40年が経過する。建て替え事業については、今後も積極的に取り組んでいきたい。また、最近はマンションの構造についてさまざまなことが言われているが、当社は住宅性能評価書を全物件に交付するなど特に品質にこだわっている。販売活動にも力を入れ、当社が参加して良かったと言われるよう努力したい」と語った。