国土交通省は6日、6月29日に開催された、第2回「不動産の証券化に係る鑑定評価とデュー・ディリジェンスのあり方に関する検討委員会」の結果を発表した。
同委員会は、不動産証券化市場が急速に拡大し、デューディリジェンスや不動産鑑定のニーズが大きく変化している一方、アスベストや土壌汚染、耐震性能偽装問題など、不動産が保有するリスクへの意識が高まっていることを受け設置したもの。
第2回目の会合にあたる今回は、「鑑定評価書とERの責任範囲」「鑑定評価等の適正性を担保するための方策」「証券化に関わる専門家の連携の可能性」の3つの論点に関し、委員らからの発表をもとに意見交換が行なわれた。
意見交換では、「鑑定評価書とERの責任範囲」について、鑑定評価は、ER等他の専門家の調査結果から事実確認をし、市場の情報を検証し、最終的な価格意見を形成するが、事実確認には限界があり、依頼者である運用会社等から資料を入手するしかないこと。また、過去の賃料等価格に影響のある情報であっても、依頼者が持っていないものもあり、事実確認ができた範囲で適正な価格を出すことが基本となることなどが指摘された。
また、「鑑定評価等の適正性を担保するための方策」については、多数の鑑定評価の結果から賃料やキャップレート等のデータベースを構築して分析・検証すれば、鑑定評価書の説明能力を向上させることができること。ERについても同様に、再調達原価等コストに関わる情報は重要であり、これを分析し、ERを検証することも重要であることなどが指摘事項として挙げられた。
なお、次回委員会は8月下旬~9月の予定。