


(社)全日本不動産協会は22日、台湾の不動産業界団体である「中華民國不動産仲介經紀商業同業公會全國聯合會」代表団との間で、研究討論会を開催した。
同団体は、1991年に設立された台湾を代表する不動産業界団体で、全日とは94年から相互交流を行なっていた。今回は、楊 耀龍副理事長を団長にした12名で来日。国土交通省や全日会員業者訪問などの業界視察を行なっていた。
研究討論会には、訪日団12名のほか、全日側から川口貢理事長ら12名が出席。国土交通省からも、総合政策局不動産業課不動産業指導室の川浪信吾課長補佐、同・元嶋 徹適正指導係長が参加した。
会の冒頭挨拶した川口理事長は「不動産業界のグローバル化、証券化の進展により、アジアの不動産マーケットにも世界中の資本が流入している。こうしたなかで、日台両国の不動産業界団体が、それぞれの国の法制度について意見交換する場を設けることは、極めて重要なことだと思う」などと語った。
これに対し、楊団長も「台湾は、不動産業界を規制する法律ができたのが1999年。その改正も1度しかされておらず、歴史が非常に浅い。それに比べ、日本の宅建業法は50年を超える歴史を持ち、皆様方もさまざまな経験を乗り越えてこられた。わが国では今年、大規模な業法改正が予定されている。台湾で問題となっている諸問題について、日本での対応を教えていただき、それを台湾政府に伝えたい」と語った。
討論会では、台湾側から日本の媒介契約制度、重要事項説明義務、営業保証金制度などについて質問がなされ、全日、国土交通省から詳細な回答が行なわれた。また、台湾では不動産業者が農地を仲介するケースが多いため、日本での農地の取り扱いについて質問が集中。これに対し、全日側は「農地の取り扱いは農地法で定められ、宅建業法の範疇外。営農者以外への農地転売は不可能であり、農地の宅地転用については厳しい規制がかかる」など、日本での実情を説明した。