不動産ニュース / 調査・統計データ

2008/5/12

CGM時代に求められるのは、顧客満足度を追求するマーケティング/RSC調査

「CGMは、住宅不動産業界にとって脅威とはならない」と語る(株)リクルート住宅総研主任研究員の島原万丈氏
「CGMは、住宅不動産業界にとって脅威とはならない」と語る(株)リクルート住宅総研主任研究員の島原万丈氏

 不動産情報サイト事業者連絡協議会(RSC)は9日、第11回研修会を開催した。

 研修会では、(株)リクルート住宅総研主任研究員の島原万丈氏が「CGM時代のマンション購入行動に関する研究」をテーマに解説。
 同研究は、掲示板などCGM(Consumer Generated Media:消費者が、生成する、メディア)のネガティブ情報が、公正な競争や、消費者の意思決定を阻害することで、市場を停滞させ、最終的には消費者に不利益をもたらすのではないか、という危惧が、住宅不動産業界関係者間で強まったため行なわれたもの。

 研究では、ネット掲示板の書き込み内容の分析をはじめ、購入希望者のCGM利用実態、CGM利用による購入プロセスへの影響等について調査。
 これによると、ネット掲示板の書き込みは、物件や分譲会社、販売会社に対する批判的な「ネガティブ」なものもあるが、それ以上に好意的・肯定的な書き込みも多く、最も多いのは「中立的」な内容であることがわかった。
 また、CGMに求める要素は「情報源がはっきりしていること」「多くの人の参加」「多様な意見」等で、“根も葉もない情報”や“少数の偏った意見”に対しては、利用者自身が警戒感を持っている結果となった。
 さらに、CGM利用者のほうが、非利用者よりも購入プロセスの進行が速く、CGMの利用によって意思決定は促進されていることが明らかとなった。

 一方、既契約者は基本的に、自分が購入したマンションに満足しており、プラスの情報(満足体験)を広めてくれる、と分析。また、入居後のネットコミュニティは、契約後・入居後の満足度を高める戦略との相乗効果で、中古市場やブランド価値へのプラスの情報発信源となる可能性があることが発表された。

 最後に、島原氏は「CGM時代に求められるのは、正直に、誠実に、顧客満足度を追求するマーケティングである」と強調。また、「不本意な口コミに対する最大の防御は、徹底的な情報開示である」(同氏)とし、CGM時代のリスク管理策について述べた。

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