ムーディーズ・インベスターズ・サービスは10日、三菱地所(株)と子会社のMEC Finance USA, Inc.の無担保長期債務格付けAa3の見通しをポジティブから安定的に変更した。
同社は近年、過半数株式取得による関連会社の連結子会社化や、「丸の内再構築」計画のほかにも複数の大型プロジェクトへの投資を行なうなど、成長戦略を加速。藤和不動産(株)、(株)サンシャインシティ、(株)東京交通会館の過半数株式の取得や、大手町再開発計画への参加、および大手町のりそな・マルハビル取得といった投資や子会社の連結化により、三菱地所の有利子負債は、2007年度には前年度より大幅に増加し、調整後の総有利子負債キャピタリゼーション比率も約51%まで増加した。
今回の変更は、同社が成長のための投資を拡大していることから、キャッシュフローをいっそう安定させ、また投資によって増加した財務レバレッジを回復するのにはある程度時間がかかるとの見方を反映したもの。