住友不動産(株)は12日、2009年3月期決算を発表した。
当期(08年4月1日~09年3月31日)の連結経営成績は、売上高6,952億3,900万円(前期比0.5%増)、営業利益1,463億6,600万円(同▲5.3%)、経常利益1,135億8,100万円(同▲9.3%)、当期純利益462億500万円(同▲26.8%)となり、営業収益は増収となったものの、営業利益および経常利益はともに12期ぶりの減益となった。
不動産賃貸事業は、年度後半の国内の景況感、企業業績の悪化によるテナント企業のコスト意識の高まりや、事業撤退などによる需要の停滞により、既存ビルの空室率が5.1%(前期3.8%)となったものの、既存ビルの賃料上昇と、前期に竣工した「住友不動産原宿ビル」、「住友不動産四谷ビル」などの通期稼動が業績に寄与した結果、大幅な増収増益となった。このほか、当期竣工の「住友不動産飯田橋駅前ビル」、「住友不動産西新宿ビル5号館」などのテナント募集もほぼ満室で稼動している。
不動産販売事業では、マンション・戸建て・宅地の合計で4,008戸(前期比265戸増)を計上。売上戸数は増加したものの、前期に高採算型の大型マンションが多く計上されたため、減収減益となった。
完成工事(ハウジング)事業では、「新築そっくりさん」事業の受注棟数が減少したものの、計上棟数の増加により増収を確保。また注文住宅事業は、受注・計上棟数ともに前期比で増加した。両事業とも1棟当たり単価が上昇し、売上高が前期比6.5%増となった。
不動産流通事業は、仲介事業で仲介件数が減少したのに加え、取扱高・取扱単価ともに前期を大幅に下回り減収減益となった。
なお、次期は、連結売上高7,200億円、営業利益1,360億円、経常利益1,000億円、当期純利益510億円を見込む。