積水ハウス(株)は27日、同社独自の庭づくり提案「5本の樹」計画にもとづき緑化・植栽を行なった住宅分譲地において実施した“生き物調査”の中間報告を発表した。
「5本の樹」計画とは、日本の豊かな生態系を育んできた“里山”を手本に、地域の気候風土に適した在来樹種を中心に植栽する庭づくりの提案。
同社では、まちづくりにおいても「地域の生態系の保全・育成」を指針の一つとし、全国各地の分譲地で「5本の樹」計画を進めている。
“生き物調査"は、同社が(株)生態計画研究所(東京都東村山市、代表取締役所長:小河原孝生氏)と共同で実施したもの。分譲地で鳥や昆虫などの生息状況を実際に観察し、周辺地域との比較を行なうとともに、植栽の成長に伴う生態系の経年変化を分析し、生物多様性の保全効果を検証した。
中間報告では、「コモンガーデン南吉田」、「コモンステージ松山」(いずれも愛媛県松山市)において経年変化を中心に検証した結果、「コモンステージ松山」では鳥類が3種類から8種類に、昆虫類が4種類から32種類に増えるなど生物の増加が確認された。
また、分譲地内の公園に既存のクロマツやサワラ、ヤブツバキを残し「5本の樹」計画で提案する在来樹種を高密度に植栽した「コモンシティ青葉のまち」(仙台市青葉区)では、近隣の面積約1haの公園で4種の鳥しか観察できなかったのに対し、分譲地内では8種を観察することができた。
積水ハウスでは、松山市や仙台市の分譲地で、地域の住民が身近な環境で楽しみながら生物多様性について学ぶ機会となる住民参加型の生き物観察会も実施しており、今後も生物多様性の保全に配慮した住まいづくりとまちづくりを推進していく、としている。