シービー・リチャードエリス(株)(CBRE)はこのほど、2009年12月時点の首都圏における賃貸物流施設の空室率を発表した。千葉県、東京都、埼玉県、神奈川県にある延床面積1万坪以上の物流施設49棟についてヒアリング調査したもの。
首都圏の大型マルチテナント型施設の空室率は14.2%(09年9月時点比▲5.7ポイント)。新たに竣工したビルが高い稼働率であったことや、複数の新築物件でまとまった面積の成約事例が見られたことが、空室率低下の主な要因となった。
また、既存物件(08年12月以前に竣工した物件)の空室率についても、大きなテナントの流出がなかったことや、比較的築浅の物件で空室消化が進んだことから、前期に引き続き空室率は低下し6.8%(同▲2.0ポイント)となり、同社では「設備の整った大型物流施設への移転需要は底堅く推移しているため、新規供給が抑制されている昨今の状況下で需給バランスの改善が進んでいる」としている。
今期は食品や飲料・製薬関連といった内需型企業において、拠点集約等によるテナント需要が多くみられ、従来型の施設から高スペックの大型施設へ移転する企業の動きが目立った。