三井不動産(株)は4月30日、2010年3月期決算の説明会を開催した。
当期(09年4月1日~10年3月31日)の連結売上高は1兆3,848億600万円(前期比▲2.4%)、営業利益は1,205億8,500万円(同▲29.7%)、経常利益は939億100万円(同▲35.7%)、当期純利益は600億8,400万円(同▲28.1%)となった。
賃貸セグメントにおいては、「ららぽーと新三郷」や「東五反田スクエア」などの新規開業や、「神宮前M-SQUARE」の通期稼動などにより営業収益5,467億6,200万円(前期比170億600万円増)を計上。一方、首都圏のオフィスビルでは、空室率が上昇傾向にあることなどから、空室率は3.9%(前期末:2.5%)と上昇した。
分譲セグメントにおいては、計上戸数減少や収益性の低下により、減収減益。営業収益は3,920億8,700万円(同▲41億5,100万円)となった。
そのほか、(株)オリエンタルランドの投資有価証券売却益257億円を特別利益として計上した。
次期の通期予想については、連結売上高1兆4,400億円(前期比4.0%増)、営業利益1,210億円(同0.3%増)、経常利益950億円(同1.2%増)、当期純利益500億円(同▲16.8%)としている。
「賃貸セグメント」において「三井住友銀行本店ビル」等のオフィスビルや「三井アウトレットパーク札幌北広島」等の商業施設等が新規稼動し、増収する一方、既存物件における空室影響などから、営業収益4,230億円(前期比▲79億7,500万円)と減収を見込む。
また、「分譲セグメント」は、住宅分譲事業において計上戸数の増加により営業収益4,200億円(同337億4,400万円増)と増収とするものの、収益性の低下による減益を見込んでいる。
説明会において同社経理部長の弘中 聡氏は「不動産業界全体が明るくなっている兆しがあるように思う。10年度においても下期には引き合いが増えており、価格調整も終わった印象がある。来期の空室率は4%前後で推移するとみているが、11年中には回復基調になることに期待している」と語った。
なお、同社は2010年より長期経営計画「新チャレンジ・プラン2016」の実現に向け、セグメントを変更。三井ホームを独立させるなどして、6部門とする。