ジャパンリアルエステイト投資法人(JRE)は17日、2010年3月期決算説明会を開催した。
当期(09年10月1日~10年3月31日)の営業収益は216億6,500万円(対前期比0.7%増)、営業利益は105億3,800万円(同4.8%増)、経常利益は88億7,600万円(同4.4%増)、当期純利益88億7,500万円(同4.4%増)、1口当たり分配金1万8,043円となった。
当期は、オフィス需要の低下による全国的な空室率の上昇および賃料水準の下方修正が継続するなか、同投資法人においても、入居テナントの賃料下方修正・返室などの動きが見られ全ポートフォリオのテナント入居率については当期末時点で93.0%(対前期比▲0.3%)となった。
一方で、「汐留ビルディング」(東京都港区、取得価格:546億6,000万円)および、「東京オペラシティビル」(東京都新宿区、取得価格:224億2,600万円)の信託受益権を追加取得、「神宮前メディアスクエアビル」の敷地(東京都渋谷区、譲渡価格:15億700万円)の一部譲渡を行なうなど、外部成長重視の運用を行なった結果、増収増益を達成した。
有利子負債の状況については、新投資口発行によるレバレッジコントロールにより、成長余力を確保。10年3月末時点におけるLTV(総資産有利子負債比率)は41.2%に留まっている。
同投資法人代表取締役社長の片山 浩氏は「賃料水準の減額がここまで大きいとは思っていなかった。そのため、外部成長に軸足を移した運用が不可欠であり、今後も物件取得やPOを積極的に行なっていきたい」などと述べた。
次期(10年4月1日~9月30日)については、営業収益は221億円、営業利益98億5,000万円、経常利益、当期純利益はいずれも80億円、1口当たり分配金1万6,360円と予想。菱進銀座イーストビル増築部分を除き、取得を決定している資産はない。