(社)日本不動産学会は10日、「ひと・まち交流館 京都」(京都市下京区)で、同学会設立25周年を記念したシンポジウム「歴史的景観の保全と経済開発~市場機構を活用した歴史まちづくりの挑戦~」を開催した。
冒頭挨拶した同学会会長で日本大学教授の三橋博巳氏は、「歴史的景観の保全と経済開発は、京都に限らず全国的に考えていかなければならない社会的な課題であり、工学、経済学、および実務の専門家が集まった産・官・学連携の本日のシンポジウムで積極的に議論をしていきたい」などと述べた。
シンポジウムでは、東京工業大学大学院教授の中井検裕氏が講演。景観法の実績、歴史的景観保全と不動産開発について事例を使って説明するなど、これまでの研究成果の一部を発表した。今回のテーマである歴史的景観の保全と経済開発について、「保全と経済開発の片方に偏りすぎるのではなく、創造性を高める地域をつくるためには、そこにある文化やその背景にあるものが非常に重要となるであろう」などと言及した。
また、広島工業大学教授の青山吉隆氏をコーディネーターに、京都大学大学院教授の大庭哲治氏、日本大学教授の中川雅之氏、(財)京都市景観まちづくりセンター専務理事の福島貞道氏、京都府立大学准教授の宗田好史氏によるパネルディスカッションが行なわれた。