(社)日本不動産学会は28日、「すまい・るホール」(東京都文京区)で、同学会設立25周年を記念したシンポジウム「不動産市場における高齢者の住まいの安心を考える」を開催した。
シンポジウムでは、国際医療福祉大学大学院医療福祉学研究科教授の高橋紘士氏が基調講演。同氏は、高度経済成長時につくられた住まいのカタチでは、高齢化社会に耐えられないことを懸念し、「高齢者の住まいに、高齢ケアの場、関係性の場としての意味を持たせると同時に、ソーシャルキャピタルの概念が重要になってくるであろう」などと話した。
このほか、同学会理事で日本大学教授の中川雅之氏をコーディネーターに、東京大学大学院工学研究科建築学准教授の大月敏雄氏、(独)住宅金融支援機構理事の合田純一氏、高齢者住宅経営者連絡協議会会長でオリックス・リビング(株)代表取締役社長の森川悦明氏、特定非営利法人シニアライフセンター代表理事兼事務局長の池田敏史子氏、厚生労働省老健局総務課の東内京一氏によるパネルディスカッションが行なわれた。
冒頭挨拶した同学会会長で日本大学教授の三橋博巳氏は、「高齢者の住まいの問題は社会的な重要なテーマであり、住宅政策、介護・福祉施設等を含めたハード・ソフトの両面で考えていかなけばならない問題。本日のシンポジウムの成果を広く社会に情報発信していきたい」などと述べた。