みずほ信託銀行(株)はこのほど、「不動産トピックス」を発行した。同行と(株)都市未来総合研究所が共同で不動産にかかわるテーマについて調査・研究し、毎月編集発行しているもの。11月のトピックスでは、同研究所による「不動産売買実態調査」をもとに2010年度上期の不動産取引動向などを掲載している。
それによると、上場企業などが公表した10年度上期の不動産取引件数は310件(前年度上期比94%増)、取引額は8,942億円(同59%増)となった。上期ベースでは、不動産取引が急拡大する以前の04年度実績(290件、8,098億円)を上回った。
買主業種別取得額割合は、「建設・不動産業」が32%、次いで「投資目的法人」(30%)、「商業」(17%)が続いた。売主業種別売却額割合は、「建設・不動産」(34%)、「SPC」(26%)、「投資目的法人」(14%)と合わせて約4分の3を占めた。
業種セクター別にみると、「投資目的法人」、「建設・不動産」、「その他事業法人・公共等」では、取得および売却額が09年度上期比より増加するなかで、「SPC」の取得額の減少が目立った。私募ファンド等が取得費の借入金返済期日を迎えた物件を売却せず、リファイナンスにより保有物件の売却時期をうかがっていることや、私募ファンド間取引では情報が開示されないことが原因と同社では分析している。
用途別取引件数割合は住宅が41%と、合併REITによる住居物件の売却事例が多く、売主業種別の内訳ではREITが41%を占めた。事務所ビルの取引件数の割合は30%(09年度38%)、取引金額では50%(同72%)と縮小した。
立地別取引割合では、東京圏が88%を占め、そのうち千代田・中央・港の都心3区に占める割合は49%となった。
価格規模別取引件数の割合は、10億円未満が56%で、事務所ビルに限ると10億円未満が09年度の40%から32%に縮小する一方、50億円以上は09年度の27%から30%まで拡大した。
詳細は、同社ホームページ参照。