不動産ニュース / その他

2011/4/21

東北地方のマンション被災状況、大破はゼロ。安全性を実証/高層住宅管理業協会

「今回の震災により、東北地方のマンションでは約8割に何らかの被害が生じていたが、大破はゼロ。建物の安全性を実証したのでは」と話す黒住理事長
「今回の震災により、東北地方のマンションでは約8割に何らかの被害が生じていたが、大破はゼロ。建物の安全性を実証したのでは」と話す黒住理事長

 (社)高層住宅管理業協会は21日、第284回理事会を開催。終了後、記者懇談会を行なった。

 理事会では、東日本大震災被災者に対する支援として、救援金1,000万円を日本赤十字社に寄託することを承認。また、(株)AKIコミュニケーションの同協会および保証機構への入会を承認した。これにより、3月31日付け協会会員は409社、保証機構会員は358社となった。

 併せて、東北地方会員の管理受託マンションの被災状況について発表した。東北6県所在の会員25社・1,612組合(1,642棟)に対し、被災状況アンケート調査を実施したもの。その結果、81.2%に何らかの被害が生じているものの、倒壊・大破はなく、大規模な補強・補修が必要な中破が1.6%、タイル剥離・ひび割れ等補修が必要な小破が17.2%、外見上ほとんど損傷がなかった軽微が62.4%となった。また、津波による1階部分の被害は12棟、地震動による不同沈下や地下埋設物の損傷は81棟だった。
 さらに、4月6~8日の3日間で、1,642棟のうち調査依頼のあった79棟について被災状況調査を実施。その結果、躯体に関しては、建物傾斜についての要詳細調査が1棟、主要構造部に損傷がみられた中破または小破が15棟、主要構造部以外の躯体損傷は中破または小破が18棟あった。そのほか、地盤沈下27棟、タイル剥落・ひび割れ38棟、エキスパンションカバー破損14棟、水槽類破損等16棟、津波被害を受けたものが1棟あった。

 懇談会の席上、同協会理事長の黒住昌昭氏は「今回の震災により大破したマンションがゼロだったことから、建物自体の安全性が実証されたと考える。宮城県沖地震の教訓も生かされたのではないだろうか」などと語った。

 さらに、同協会では4月1日から新中期事業計画をスタート。1年目は、築40年を経過したマンションについて約100管理組合、そのほか、設備関連大規模修繕工事を行なう節目の築30年超えの約50管理組合について、長期修繕計画モニタリング・指導を、遅くとも6月から実施する予定であるとした。

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