三井不動産(株)は28日、2011年3月期決算を発表した。
当期(10年4月1日~11年3月31日)の連結売上高は1兆4,052億6,900万円(前期比1.5%増)、営業利益は1,200億9,200万円(同▲0.4%)、経常利益は962億400万円(同2.5%増)、当期純利益は499億900万円(同▲16.9%)。
純利益で、特別利益として(株)オリエンタルランド株式売却に伴う投資有価証券売却益の計上があった一方、東日本大震災に伴う災害による損失等の特別損失の計上等があったため、最終減益となった。
賃貸セグメントにおいては、今期に新規稼働した「三井住友銀行本店ビルディング」(東京都千代田区)や「三井アウトレットパーク滋賀竜王」(滋賀県蒲生郡)に加え、前期に開業した「三井ショッピングパーク ららぽーと新三郷」(埼玉県三郷市)の通期稼働などによる収益寄与があった一方で、既存オフィスビルにおける期中の空室率が前期に比べ上昇。また、「日比谷三井ビルディング」(東京都千代田区)の建替えに向けた稼働停止、東日本大震災による「三井アウトレットパーク 仙台港」(仙台市宮城野区)など一部の商業施設で稼働停止や営業時間短縮などの影響もあり、売上高は4,234億6,800万円(同▲1.7%)、営業利益は889億2,900万円(同▲6.9%)となった。
分譲セグメントでは、個人向け住宅分譲において販売状況が好調に推移。計上戸数は前期比900戸増加の6,380戸、売上高は3,163億3,600万円(同5.1%増)となった。一方、営業利益については、前期に高収益の大規模物件の計上が多かったこともあり、16億円の減益となった。また、投資家向け分譲等においては、主にJREITへの物件売却によって、前期比で36億円の増収、53億円の増益。セグメント全体では、売上高4,052億4,200万円(同4.9%増)、営業利益161億9,300万円(同29.6%増)を計上した。なお、期末の完成在庫については684戸と、前期末の912戸から減少している。
説明会の席上、同社経理部長の弘中 聡氏は、震災後のマンション分譲における影響について「4月の半ば以降、モデルルームの来場者数や契約率などは震災前の水準に戻ってきている。一方、工期の遅れについては、避けられない部分はある」などど述べた。
なお次期については、売上高1兆4,000億円、営業利益1,150億円、経常利益920億円、当期純利益470億円を見込む。