分譲マンション事業の総合コンサルティングを手がける(株)トータルブレイン(東京都港区、代表取締役社長:久光龍彦氏)はこのほど、2011年前半戦の首都圏マンション「売れ行き好調物件」の考察レポートを発表した。11年1~6月までに発売されたマンションのうち、東京27物件・神奈川9物件・埼玉・千葉8物件をピックアップ。好調の要因を分析したもの。
好調の要素を「立地」「単価」「グロス価格」「商品企画」「需給バランス」に分けたところ、10年は73%の物件が該当した「立地」が、11年前半戦では48%にまでダウン。「需給バランス」も10年の58%から25%へとダウンした。逆に「単価」が10年の15%から11年前半戦は50%とトップに躍り出ており、「好立地と需給バランス」に支えられていた市場が「単価重視」に大きくシフトしたことが表れていた。
また、前半戦は、郊外駅遠物件が“価格勝負”で好調を維持したほか、都心・都内の好立地物件でさえ、販売価格を適正値に設定した物件の好調事例が目立った。
こうした結果から、同社は「昨年までは、良好な需給バランスを背景に好立地物件は多少の高価格でも結果を残せたが、今年の前半戦は価格に対するユーザーの意識の変化が起こっている。東日本大震災や景気の低迷等、経済環境のさらなる悪化が懸念されるなか、ユーザーの価格判断はますますシビアになっていくと予想され、後半戦はよりいっそう“単価・価格の適正感”が問われるようになる」とコメントしている。