

ナイス(株)は、横浜市鶴見区の戸建住宅分譲地(全8棟)の全棟で、建築環境総合性能評価システム「CASBEE-すまい(戸建)」の最高ランクとなるSランクを取得。13日、関係者に現地を公開した。戸建住宅のSランク認証は、全国でも21棟しかないため、今後も差別化戦略として導入を進めていく方針。
同分譲地は、JR京浜東北線「鶴見」駅からバス7分「東寺尾」停留所より徒歩2分に立地。開発面積は約900平方メートル、1区画面積は平均100平方メートル。地上2階建て、平均専有面積約97平方メートル。建築条件付き土地販売と建売販売が2010年12月から行なわれ、すでに完売している。土地建物を合わせた平均価格は、5,200万円台だった。
建物は、長期優優良住宅を超える断熱性能、耐震性能と「30坪・1,500万円」という低価格を実現した同社オリジナルの戸建住宅「パワーホーム」がベース。CASBEE認定取得に向け、高断熱浴槽や止水スイッチ付き蛇口、高効率エアコン、節水型便器、雨水タンクなどを採用したほか、リサイクル材を使ったサイディングやエクステリア商材も投入。緑被率50%以上を達成すべく、ガレージまで緑化。施工段階での効率化を図り工期を45日とし、環境負荷を軽減した。
一方、内装は無駄な意匠を極力排したシンプルな仕上げ。1階リビングのみ、2階は風呂・洗面・トイレと間仕切りなしの1空間という1LDKとし、居住者のライフスタイルに合わせて、空間を自由に間仕切りしてもらう、「進化型住宅」として提案した。同社は今後、この販売手法を使い、建築条件付き販売から建売販売へシフトする方針。
公開にあたり挨拶したナイス代表取締役社長の平田恒一郎氏は「“スーパーハイクオリティ・グッドプライス”を合言葉に開発を進めてきたパワーホームは、はじめからCASBEEありきでつくってきたわけではないが、今回多少手を入れただけでSランクを取得できたことで、それだけのクオリティを持つ商品であったことを再認識した。これまで高性能な家は、値段も高く、30歳代の子育て世代が庭付き戸建てを持つのは難しかった。パワーホームを普及させることで、環境にやさしく省エネで長持ちする家を、30歳台の子育て世代に提供していきたい」などと語った。