住友林業(株)は27日、「国際森林年記念マスコミセミナー『林業の活性化によって強い国土をつくる』」を開催した。
2011年が国連が定める「国際森林年」であり、世界中で森林・林業の重要性を考える年となっていることから開催したもの。
「林業の活性化によって強い国土をつくる」をテーマに、鹿児島大学農学部教授・遠藤日雄氏が基調講演を行なったほか、林野庁林政部木材産業課長・渕上和之氏が「日本の森林再生と国産材利用の意義」と題した講演を行なった。渕上氏は、「これからは国産材を積極的に利用することで、地域の雇用を拡大し、経済活性化につなげていく。今後は木材自給率50%以上をめざしていき、持続的な森林経営の確立をめざしていく」などと述べた。
さらに、住友林業執行役員山林環境本部長・片岡明人氏が「住友林業のサステナブルな森林経営とその関連事業について」と題した講演を行なった。
日本は世界有数の森林国であるにもかかわらず、海外からの輸入材に頼っているが、一方で、国内の45~50年の木が、1本数百円の価値しかなく、価値を見出せない山が放置されている現状を紹介。人手を加えて適正に管理されていない森林では、土地が枯れ、災害が起きやすくなるなどさまざまな問題が起こっている。国産材の市場を形成し、森林が公益的機能を発揮することで、土砂災害防止や土壌保全などにもつながることや、そのためには、森林の間伐をしていくことが必要不可欠であることなどを説明した。
その後、パネルディスカッションを行ない、日本の森林・林業の問題点や今後の課題、進むべき方向性について話し合った。