住友不動産(株)が組合員として参画し進めてきた大型複合再開発「西新発宿八丁目成子地区第一種市街地再開発事業」(東京都新宿区) が竣工、12月1日にグランドオープンする。22日、報道関係者に公開された。
同再開発は、東京メトロ丸の内線「西新宿」駅徒歩3分に立地する、総面積約1万9,600平方メートルに及ぶ大規模プロジェクト。木造住宅密集市街地であったため、1984年から再開発の検討が始まっていた。同社は2001年に組合員として参画。環境アセスメント、再開発組合設立、権利変換計画の認可を経て08年に着工していた。
開発地は、青梅街道と“都道放射第6号線”に挟まれており、都道の拡幅や歩道状空地の整備などを条件に、都市計画事業として容積率260%増の774%に緩和されている。 約4,000平方メートルの広場は周辺地域の防災拠点として活用できるよう、仮設トイレ10台や非常用井戸が用意されている。
建物は、地上40階建て高さ195m・延床面積約13万8,000平方メートルのオフイス・賃貸住宅「住友不動産新宿グランドタワー」、地上2階建て・延床面積約3,500平方メートルの多目的ホール「ベルサール新宿グランド」、地権者向けの共同住宅で地上11階建ての「新宿グランドプラザ」、地上3階建て・延床面積 約1,300平方メートルの商業棟「新宿グランドウイング」の4棟で構成する。
「住友不動産新宿グランドタワー」は、オフィスフロアと高級賃貸住宅「ラ・トゥール新宿グランド」を背中合わせに配置。オフィスは、基準階が102m×25m、800坪の無柱空間で、天井高も3mを確保。屋上緑化、太陽光発電などの環境配慮で、CASBEE「S」ランク相当の環境性能を実現。屋上には制震装置を設置、停電時の72時間電源供給など企業のBCPニーズへの対応を強化している。すでに、全フロアの7割が成約済み。
同シリーズ18棟目となる「ラ・トゥール新宿グランド」は、総戸数138戸。住戸は、ステュディオタイプ~4LDK 、専有面積38~194平方メートル。 オフィスフロアと同じ階高を利用したロフトプランや収納カの強化などが特色で、賃料は月額18万5,000~126万円。最多賃料帯は30万円台。すでに、3割の住戸に申し込みが入っている。
「ベルサール新宿クランド」は、天井高6m、ワンフロア1,400平方メートル超の大型ホールと、オフイス棟5階部分の貸し会議13室で構成。大型ホールは、非常時には一時避難場所として利用する。
22日会見した同社執行役員ビル事業木部副本部長の片山久壽氏は「この再開発は、数百人の地元地権者とともに、10年余にわたり取り組んできたもので、その熱意がようやく実ったことは感慨深い。西新宿というまちは、事業者1社が中心となり大規模再開発が進む日本橋や丸の内と違いタウンマネジメントがしづらいが、その分まだまだ開発の余地がある 。地元住民や新宿区などと連携し、さまざまなイベントを支援するなどしながら、この西新宿が東京を代表するまちとして存在し続けるよう、 努力していきたい」などと語った。