不動産ニュース / その他

2012/2/2

円滑な取引のための情報開示の在り方を議論/不動産流通市場活性化フォーラム

第3回「不動産流通市場活性化フォーラム」の様子
第3回「不動産流通市場活性化フォーラム」の様子

 国土交通省の「不動産流通市場活性化フォーラム」(座長:日本大学経済学部教授・中川雅之氏)の第3回会合が、2日に開かれた。

 今回のフォーラムでは、円滑な不動産取引に必要な情報を消費者にどのように分かりやすく提供していくかなどについて、実務に詳しい委員からヒアリングし、その方向性について議論した。

 不動産総合サービスのアットホーム(株)取締役・庄司利浩氏は、同社不動産総合情報サイトでの中古住宅に対する消費者の意識調査を発表。「物件購入者のうち、築年数を重視する人は少ない」という結果が出ている一方、「建築年が古い物件ほど、低価格であっても売れにくく、ストック過多の傾向がある。新耐震基準以前の建築年ではより顕著になっている」と指摘。一方、「購入者の意思決定のために、価格以外にも修繕やメンテナンス、リフォーム履歴などの情報をより多く提供し、不安を払拭する必要がある」などと提言した。

 (社)日本住宅建設産業協会理事の三田俊彦氏は、住宅履歴情報の蓄積と情報提供がなされる環境の醸成が重要だとしながらも、「ハザードマップなど情報を開示したがために物件の価値が下がってしまったり、契約が不利になってしまうことを危惧する声が多い」として、「きちんとした指針を出して基準を整備していくことが課題」と提言した。

 また、(株)リクルートのリクルート住宅総研所長・矢部智仁氏からは、「情報開示が進まない理由を取り除くために、売主と売主側の事業者に対して、情報収集から媒介取得までの期間に公的に統一された開示書を作成し、地盤や建物構造の検査を行なうことを義務化することや、買主と買主側の事業者に対して、購入意思を示した場合、開示書内容についての確認などを行なっては」などの意見があがった。

 その後、これらの提言について、委員から意見を求めた。各委員からは「住宅が築30年を超えると売地として流通するのが一般的だが、築年数で区切るのではなく、いくつかの要素に分けて、良質な住宅が何かを明確にするべき」「調査によって地盤などネガティブな情報が出た場合に、価格が適正かどうか評価できる一定のルールが必要なのでは」などの意見が挙がった。

 なお第4回フォーラムは、2012年3月1日に実施する予定で、宅建業者の総合コンサルティング機能の向上をどう進めていくか、消費者ニーズの増大する分野を担う事業者をどう育成するかなどについて議論する予定。

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