ミサワホーム(株)は18日、日本南極地域観測隊員に参加した社員による帰国報告会を開催した。
同社では、1968年以来、南極地域観測隊の活動や生活を支える建物を受注しており、その実績は累計約35棟、延床面積約5,500平方メートルにのぼる。人員派遣は、設営系隊員(建築担当)として、これまで合計9名が南極観測活動に参加している。
報告会では、同社技術部ホームイング技術課の渡邉慶太郎氏と同社販売企画部MRD・法人推進課の井熊英治氏らが、南極での活動や、暮らしぶりなどを紹介。
なお両者は、基地の設備や生活の維持を担当する設営系の隊員として、蓄電池室や風力発電制御室などを設けた大型建築物「自然エネルギー棟」の建設や、居住棟など施設の改修を担当した。
渡邉氏は、「南極では気象環境が厳しいため、住宅性能は、断熱性、結露防止、耐風性、防水性などが求められる。また、部品軽量化や、輸送の面でも配慮が必要」として、南極で求められる住宅性能などについて説明。
井熊氏は、「隊員は、分野別(機械、通信、医療、建築、気象、宇宙、環境保全など)に30名で構成されている。建築経験のない隊員でも、限られた期間内で施工できるように、あらかじめ、外装や断熱材を設置している木質パネルを使い、組み立てを行なった」など、建設作業の様子などについて紹介した。
同社では、南極で導入した自然エネルギー活用の技術などを、今後の住宅開発に役立てていく考え。