不動産ニュース / 調査・統計データ

2012/4/25

津波被災地、浸水深2m以下のエリアでは「現地復興」が多数/国交省調査

 国土交通省は24日、「津波被災市街地復興手法検討調査」のとりまとめを発表した。

 東日本大震災による津波被災市街地の復興に向けて、被災市町村の復興まちづくり計画を支援するため、同省は2010年度第一次補正予算において措置された「津波被災市街地復興手法検討調査」で、被災現況調査や復興パターン検討、復興手法の検討などを実施。その成果は、随時ホームページなどで公表してきた。津波被災市町村において、復興計画がほぼ策定され、被災現況調査や復興計画の分析結果、被災地共通の政策課題への対応策の検討内容等について、既に公表済の資料も含めてとりまとめた。

 浸水区域である青森、岩手、宮城、福島、茨城、千葉の6県62市町村を調査したところ、市街地を主体とする用途地域の13%に当たる118キロ平方メートル、そのほかの4%に当たる410キロ平方メートルが浸水。そのうち50%の浸水深が2m以上であると分かった。被災建物棟は25万棟に上り、そのうち全壊が約14万棟。構造割合は木造が70%と大半を占めた。
 一方、浸水深と建物被災状況を検討したところ、浸水深2m前後で被災状況に大きく差が出ると分かった。2m以下の場合は建物が全壊となる割合が大幅に低下していた。

 また、復興計画などについて43市町村を対象に調査を実施。12年3月末までに39市町村が復興計画を策定し、2市が復興構想を作成。採用された復興パターンは、(1)移転、(2)現地集約、(3)嵩上げ、(4)移転+嵩上げ、(5)現地復興に分類できるとした。浸水深2m未満の場合、(5)を採用するケースが多く、浸水深が2mを超えるにつれ(1)や(3)、(4)が採用された。浸水深が深くなるにつれて移転ゾーンの割合が増加、浸水深4m以上のゾーンでは嵩上げゾーンが少なくなる傾向が分かった。

 なお今回のとりまとめに当たり、関連データなどを集約し、閲覧やダウンロードが可能なホームページを作成した。

動画でチラ見!

第18回 ジバコー 「原点」を語る

ニュースはこちら

新着ムック本のご紹介

ハザードマップ活用 基礎知識

不動産会社が知っておくべき ハザードマップ活用 基礎知識
お客さまへの「安心」「安全」の提供に役立てよう! 900円+税(送料サービス)

2020年8月28日の宅建業法改正に合わせ情報を追加
ご購入はこちら
NEW

月刊不動産流通

月刊不動産流通 月刊誌 2025年5月号
「事故物件」、流通の課題は?
ご購入はこちら

ピックアップ書籍

ムックハザードマップ活用 基礎知識

自然災害に備え、いま必読の一冊!

価格: 990円(税込み・送料サービス)

お知らせ

2025/4/21

「記者の目」を更新しました

有事に立ち向かうエリアマネジメント」を公開しました。

エリアの価値向上に大きく寄与する複合開発。住宅や商業施設、公共施設、教育施設や図書館、クリニックなどが一体的に整備されることで、再開発されたエリア内で日常生活が完結できるような、利便性の高い生活環境が整うケースもありますが、その規模感の大きさから有事の際に全体が連携できるのかといった懸念も…。今回は、オフィスビル・賃貸マンション・分譲マンションの3棟からなる複合開発「MEGURO MARC」を取材。防災対策の本音を調査しました。