森トラスト(株)は12日、環境省が公募していた「平成24年度地球温暖化対策技術開発・実証研究事業」に、同社が応募した「太陽光をエネルギー源とした災害時大規模ビル電源供給に関する実証研究」が採択されたと発表した。
「地球温暖化対策技術開発・実証研究事業」とは、早期実用化が必要かつ可能なエネルギー起源CO2の排出抑制に関する技術開発、および実証研究について提案を募集し、選定した事業を委託、または補助により行なうもの。
今回採択された事業は、長期停電時において都市の安全性確保のために必要となる最低限負荷対応計画を「ミニマムbCP(building Continuity Plan)」と定義し、災害時でも電力供給をサスティナブルに実現する「太陽光発電とリチウムイオン蓄電池の組み合わせによる再生可能エネルギーシステム」の構築を目指すというもの。
同事業では、同社が東京都中央区で開発を進める「京橋OMビル」(12年9月末竣工予定)、「京橋トラストタワー」(14年2月末竣工予定)への蓄電池等の導入、運用時のデータ収集・分析を通じて発電、蓄電、災害時電力利用に関する原単位、各機器の設置バランス等の検証を行なう。また、これらの検証結果を活用し、同社が港区虎ノ門地域にて計画を進める大規模プロジェクトへの適用を検討していく。
同社グループでは、東日本大震災以降、BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)、DCP(District Continuity Plan:地域継続計画)の必要性を訴えるとともに、大規模太陽光発電事業へも着手。今回の事業では、これらの取り組みを融合し、再生可能エネルギーの災害時利用の実用化を目指していく考え。