三井住友建設(株)は26日、マンション購入者がライフスタイルに合わせた生活空間を自由にカスタマイズでき、将来のリニューアル時の空間構成の変更自由度や設備更新性を従来より高めた、完全フリープラン対応マンションシステム「MSIシステム」を開発したと発表した。
これまでの一般的な板状マンションでは、排水管の勾配確保のための長さ制限や各階で同じにしなければならない排水縦管の位置により、水回り諸室の配置位置に制限が生じていたため、大胆なプランニングの変更が難しかった。同システムは、同社オリジナルのマンション設計システムである、「SuKKiT(スキット)」と、建物の重量軽減と建設資材の縮減を図り、CO2排出量を削減する「ShukuGen2(しゅくげん2)」をプラットフォームとした設計システムで、標準的な階高の板状外廊下形式のマンションでスケルトン・インフィル住宅を合理的に実現できるもの。
住戸内はサイレントスラブによるスラブ段差や住戸中央部で途切れるサイレントビームにより、二重床内での設備配管の取り回しが容易になり、各水回りから排水縦管までの横引き管を従来のスケルトン・インフィル住宅よりも短くすることができた。また、必要十分な大きさの点検口を、メンテナンススペースをしっかり確保しながら設置するため、将来のライフステージの変化に伴うリニューアル時の手間を少なく、施工期間を短縮させることができる。
また、水回りは住戸内のほぼどの位置にも設置可能で、これまでより自由に台所、トイレ、浴室、洗面脱衣室等のレイアウト変更が可能。
「SuKKiT」を活用した躯体フレームにより、2mを超えるハイサッシや梁型の出ない戸境壁など住宅としての付加価値が向上。ハイサッシによる大きな開口部によって、光・視環境での開口比率が向上し(6帖の居室で約10%の性能UP)、より照明負荷を抑えて通風に優れた住まいが実現できる。
一方、「ShukuGen2」によって、床スラブについてはサイレントビームを用いたサイレントスラブ、壁については梁内蔵型の戸境壁とすることで、建物全体の躯体量で従来のマンションと比較して5~7%の削減が可能となる。