国際的コンサルティング企業のマーサー ジャパン(株)は4日、「2012年世界生活環境調査-都市ランキング」を発表した。
同調査は、多国籍企業やその他の組織が従業員を海外に出向させる際、報酬を公平に決めるための指標として毎年実施しているもの。調査対象は世界221都市。ニューヨークのスコアを100とした場合の各都市のスコアをランク付けしている。
「生活環境水準」については、前回に引き続き“ウィーン”が首位となった。以下、“チューリッヒ”が2位、“オークランド”が3位と続き、最下位はイラクの“バグダッド”(221位)であった。「都市インフラ」については“シンガポール”がトップ。“フランクフルト”と“ミュンヘン”が2位で、最下位は“ポルトープランス”(221位)という結果に。
アジアの都市における「生活環境水準」は、“シンガポール”が25位で最高位となり、日本の“東京”(44位)、“神戸”(48位)、“横浜”(49位)、“大阪”(57位)と続いた。「都市インフラ」については世界最高位の“シンガポール”のほかには、香港(6位)、東京(32位)等がランクインした。
地域別では、世界生活環境ランキングの上位25都市のうち、15都市がヨーロッパという結果になり、この点について同社のシニア・リサーチャーであるスラジン・パラカティル氏は、全体的に高い生活環境水準を維持するヨーロッパにおいて「いくつかの国々での経済混乱や政治的緊張、高い失業率が引き続き地域の問題になっている」と分析している。
パラカティル氏は「インフラや公共サービスに大規模な投資を行なっている都市と、それ以外の都市との間に、目立ったギャップが見られる。多数のアジアの都市がランキングの下位4分の1に入っており、これらは主に政治的不安の高さや貧弱なインフラ、古い公共サービスが原因」としている。