不動産ニュース / 政策・制度

2013/1/4

既存住宅のインスペクション普及へガイドライン。3月末にも策定/国交省

 国土交通省は、既存住宅のインスペクション(建物検査)普及を目的としたガイドライン策定に向け、その位置づけや策定への課題などを議論する「既存住宅インスペクション・ガイドライン検討会」(座長:深尾精一首都大学東京教授)を設置。12月27日、初会合を開いた。

 同省は、「中古住宅・リフォームトータルプラン」や「不動産流通市場活性化フォーラム提言」などで、消費者が中古住宅の取引時点の状態、品質を把握できるようにするため、第三者が客観的に住宅の検査・調査を行なうインスペクションの普及促進を打ち出した。検討会では、現在中古住宅の取引時に行なわれているインスペクションの実態を踏まえつつ、検査員の技術的能力の確保や検査調査項目や検査手法のあり方などを検討、インスペクションに係るガイドラインを取りまとめる。

 1回目の検討会では、事務局が行なったインスペクション事業者に対するヒアリング、事業者調査結果や消費者の認知度調査、またインスペクション先進国であるアメリカのインスペクション業界団体の倫理規定や業務規定などが報告された。その上で、インスペクション普及に向けた課題として「標準的な検査項目の提示」「検査員の一定の技術力を担保する仕組みや評価基準」「検査料金、検査員の資格などの情報開示」「検査結果の保証」「検査主体の信頼性担保」などが挙げられた。委員からは、特にインスペクション結果についての保証のあり方、日米の不動産事情の違いを踏まえた日本のインスペクションのあり方などについて、議論が交わされた。

 検討会の冒頭挨拶した、国土交通省住宅局住宅生産課長の伊藤明子氏は「年度内にインスペクションのガイドラインを作りたい。2020年までに、既存住宅市場を今のほぼ倍にするには『インスペクション』が大切。まずは共通認識を持って、どういう風に育てていくのか、ということがこの検討会の目的」などと語った。
 また、座長の深尾氏は「ホームインスペクションという仕組みを、国民から信頼してもらえるようにすることが必要。日本の住宅生産の仕組みはアメリカとかなり違っているので、日本にふさわしいインスペクションがどうあるべきであるかという議論は大事」などと語った。

 検討会は、今回検討された論点やインスペクションの調査項目などについて検討を行ない、2月8日の第2回会合でガイドライン骨子を発表する予定。

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