物流不動産開発のグローバル企業、プロロジスが100%スポンサーとなる「日本プロロジス投資法人」が14日、(株)東京証券取引所JREIT市場に上場した。上場時の発行投資口数は18万2,350万口。公募価格55万円を約27%上回る初値70万円を付け、終値は68万2,000円だった。
同投資法人は、プロロジスから提供を受けた物流施設12物件・取得価格ベース約1,730億円で上場。今後も、プロロジスが開発するAクラス物流施設を投資対象の中心としていく。現在、プロロジスが保有する8つの物流施設の優先交渉権も持つ。
プロロジスは、同投資法人の運用会社として、100%子会社のプロロジス・リート・マネジメント(株)を設立。スポンサー・サポート契約に基づき、同投資法人へのパイプライン、オペレーション、人的サポートを行なうほか、同投資法人の発行済投資口の15%を保有していく。
また同日、プロロジス会長兼CEOのハミードR.モガダム氏、プロロジス日本代表取締役社長の山田御酒氏、同投資法人執行役員でプロロジス・リート・マネジメント代表取締役社長の坂下雅弘氏が会見。同社の物流施設開発事業戦略等について語った。
モガダム氏は、今回の上場について「初値が公募価格を25%以上上回ったのは、われわれが開発してきた物流施設の質の高さが評価されたものだと思う」と評し、「流動化により得られた資金は、再び日本へ投資し、質の高い物流施設開発を進めていく」とした。
投資法人への物件供給を担うこととなるプロロジス・山田氏は、「eコマースなどの拡大による物流施設へのニーズの変化や、3PL事業の市場規模の拡大などを受けて、Aクラス物流施設のニーズがまだまだ大きくなる。しかし、日本のAクラスの物流施設シェアはわずか1.8%。その開発は緒に就いたばかりだ」とし、今後も年間900億円規模の大型物流施設を開発。そのうち、400億~500億円程度を同投資法人に提供(優先交渉権)していく考えを示した。
一方、同投資法人執行役員の坂下氏は、「当投資法人は、プロロジスグループの中で、物流施設の保有と運用を担うこととなる。今後は、日本の投資家の支援を受け、4、5年後をめどに、資産規模4,000億円程度を目指していく」などと語った。