社会資本整備審議会建築分科会(分科会長:久保哲夫東京大学名誉教授)が27日、国土交通省に対し「今後の建築基準制度のあり方について」の第一次答申「住宅・建築物の耐震化促進方策のあり方について」を行なった。
同答申では、住宅・建築物の耐震化が、平成20年時点で住宅79%、特定建築物80%と目標を2ポイント余り下回り、かつ新設住宅着工戸数の減少により建て替えも進んでいないことから、耐震改修をこれまで以上に進める必要があるとした。
その上で、住宅・建築物の耐震化が進まない要因を(1)費用負担が大きい、(2)耐震化が不要という認識がある、(3)業者の選定が難しい、(4)工法・費用・効果等の判断が難しい、(4)工事施工中の制約への懸念がある、(5)区分所有者の合意形成が難しい、などと指摘した。
答申では、これらを克服するために、補助制度や税制等による支援策の充実、耐震性の必要性を認識させるための耐震診断の徹底、信頼できる技術者の育成、適切な工法・費用・効果等を判断するための情報提供と相談体制の充実、容積率軽減や建ぺい率緩和措置などによるマンションの耐震化に係る意思決定の円滑化などが必要としている。