不動産ニュース / 調査・統計データ

2013/3/7

13年の首都圏マンション市場、中堅・中小デベは「反転攻勢の年」に/トータルブレインが予測

 分譲マンション事業の総合コンサルティングを手掛ける(株)トータルブレイン(東京都港区、代表取締役社長:久光龍彦氏)はこのほど、2012年のマンション市場を振り返りながら、13年の同市場を予測したレポートを発表した。

 同レポートでは、12年のマンション市場を(1)供給戸数はほぼ前年並み、(2)都心からやや外側への供給シフト続く、(3)分譲単価・価格は順調に調整進む、(4)契約率は年後半失速し11年とほぼ同水準に、(5)苦戦要因が割高感一辺倒から、立地・受給バランスの3要素が拮抗する状況に、(6)用地取得は各社苦戦、などと分析。「ディベロッパー各社は、エンドユーザーの様子見姿勢から着工済み供給材料はあるものの販売には踏み切れず、供給は低水準だったが、潜在顧客ストックはかなり溜まってきている」としたが、「マンション用地情報が少なく用地の高止まりが続き、そこに建築費のさらなる上昇が追い打ちをかけるなど、事業の組み立てが難しくなってきている」とした。

 13年のマンション市場は、着工済み未供給の「隠れ在庫」を処分したいディベロッパー側の事情と、景気回復への期待感、金利の先高感、消費税対応策の発表などエンドユーザー側の事情が一致し、販売は回復傾向となり、供給戸数は5万戸台に回復すると予測。分譲価格も、旧価格時代にかなり近付いてきていることから、一部の高止まりエリアを除いて、下落傾向に歯止めがかかることも期待されるとした。売れ行きについても、「景気回復期待の動きに反応して、年明けから2月のモデルルーム来場が増加するなどムードが変化しており、4,000万円台までの一次取得向け市場から徐々に回復。株価が継続的に上昇する、政府のインフレ政策が具体的に進捗すれば、高額商品市場も確実に回復傾向が予想される」とした。

 また、13年はますます大手ディベロッパー中心の市場になることから、中堅・中小ディベロッパーにとっては「生き残りをかけた反転攻勢の年」としなければならないとし、そのためには大手と同じ土俵で戦うのではなく、(1)得意エリア・得意商品特化型の戦略への選択と集中、(2)エンドユーザーの好立地志向に対応するため、立地選別はメリハリを利かせ判断を、(3)ブランド力の差と立地で劣る分、大手に対する割安感を出すこと、(4)余計なものを切り捨てシンプルな商品とし、省エネ・震災対策などの差別化を1点張りで、(5)大手が苦手な地域密着型の地元源泉営業を活用する、などの取り組みが必要とした。

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