(株)ニッセイ基礎研究所は23日、「アクティニアが住まいに求めるもの」と題するレポートを発表した。元気生活を送る高齢者をアクティブなシニア=アクティニア(造語)と定義。アクティニアの住まいに関する考え方について50歳以上の世帯主を対象にアンケート調査を実施し、その結果を基に、住み替えを希望するアクティニアの実態を掘り下げたもの。
「将来住み替えの可能性があるか」との設問では、「具体的な住み替え予定がある」「将来的に住み替えたい」「将来的には住み替えることになるかもしれない」を合わせると約41%に達した。この「住み替え派アクティニア」の現在居住する住宅内訳は、「戸建持ち家」53.5%、「分譲マンション」25.8%、民間賃貸住宅15.9%、UR賃貸住宅2.2%、社宅・官舎2.0%、公社賃貸住宅0.7%。持ち家割合が高いものの、「定住派アクティニア」の持ち家世帯割合94.2%と比較すると、住み替え派は借家世帯の方が高い割合となった。
なお、「平成20年住宅・土地統計調査」における首都圏世帯数に住み替え派アクティニアの割合を乗じ、住み替え派アクティニアは約112万世帯と推計。この112万のアクティニア世帯に、住み替えの可能性がある、と示唆している。
「今後住み替えるとして、その要因は?」との問いでは、住み替え派の約47.2%が「高齢期に備える」と回答。以下、「定年退職」(17.7%)、「子の独立」(13.6%)が続いた。
住み替え先希望住宅は「分譲マンション」が約45.8%、「戸建持ち家」が約43.1%と、持ち家希望意向が見えるほか、3位に「高齢者向け賃貸住宅」(16.4%)、5位に「高齢者向け施設」(14.3%)がランクインし、高齢期に備えるという意向も反映される結果に。
なお、戸建持ち家に居住する住み替え派アクティニアに限って見ると、14.3%が「民間賃貸住宅」を希望。その理由として「維持管理の手間や面倒なことがないから」が89.1%に達した。
同社では「住み替え派全体からみると現在は大きなトレンドにはなっていないものの、今後、特に戸建持ち家から賃貸住宅に住み替えるアクティニアが増加していくのでは」と分析している。