ジョーンズ ラング ラサール(株)(JLL)は28日、アジア太平洋地域の不動産調査レポート「アジア パシフィック プロパティ ダイジェスト(APPD)日本版」(2013年第2四半期)を発表した。
東京のAグレードオフィス市場は、賃料が月額坪当たり3万1,494円(前期比0.7%上昇、前年同期比3.1%上昇)で5四半期連続の上昇。空室率が4.6%(同0.2ポイント上昇、同1.1ポイント上昇)と4四半期連続の上昇で、最も上昇したのは赤坂・六本木エリアだった。
12ヵ月の見通しでは、景況感と経済指標の改善等を背景に、需要は健全な水準を維持する一方、新規供給は抑制。空室率は低下圧力が加わり、賃料は緩やかな上昇傾向を維持。賃料の上昇を織り込み、投資利回りは低下傾向、価格は緩やかに上昇すると予測した。
大阪のAグレードオフィス市場は、賃料が月額坪当たり1万5,635円(前期比0.7%下落、前年同期比1.3%下落)と、8四半期連続の小幅下落。空室率が12.4%(同6.2ポイント上昇、同7.1ポイント上昇)と、「グランフロント大阪」が低い契約率で竣工を迎えたことを反映し、大幅な上昇となった。
12ヵ月見通しでは、景況感の改善が需要を下支えし、さらに新規供給が抑制されることから、空室率は緩やかに低下。大量供給による需給悪化は限定的で、賃料は今後空室率の低下とともに上昇の兆しをみせる。投資利回りはリスクの低減から低下圧力が加わり、価格は賃料の上昇に先行し上昇する見通し。
同社は、「今年後半から来年にかけ、景気回復を受けた企業セクターの活発化に加え、新興国から先進国へのグローバル投資マネーの移動が日本の不動産市場をさらに押し上げることが期待できる」と分析した。