三幸エステート(株)は5日、東京都心部オフィスマーケットについてのマスコミ向けセミナーを開催した。
同社チーフアナリストの今関豊和氏が、成約賃料に基づくオフィスマーケット指標「オフィスレント・インデックス」を公表。2013年第4四半期(10~12月)のAクラスビル(延床面積1万坪以上、基準階床面積300坪以上、築年数15年以内)の賃料単価は2万7,768円/坪(前期比4.2%増)、空室率は6.8%(同1.1ポイント減)と、前期からの上昇サイクル途中での調整局面が続く結果となった。同氏は、「景気回復が鮮明になる中、雇用環境にも改善の動きが広がりつつあり、オフィス需要増加へのプラスの連鎖に期待がかかる。また、空室率改善の背景には、新規供給が低水準にとどまっていることに加え、既存テナントによる内部増床ニーズの高まりがある」などと述べた。
続いて、「オフィスレント・インデックス」を共同開発した(株)ニッセイ基礎研究所金融研究部門不動産市場調査室長の竹内一雅氏が、同日発表した「東京都心部Aクラスビルのオフィス市況見通し(14年)-14~20年のオフィス賃料・空室率」について解説。新規供給数やオフィスワーカー数、実質GDP成長率などから推計した今後のAクラスビルのオフィス賃料について、「当面は需給改善を背景に上昇傾向が続き、14年後半から15年半ばにかけて高原状態が続いた後、15年第4四半期から下落に転じる」と見込んだ。また、当面のピーク(15年第3四半期)までに、標準シナリオで19.5%上昇、楽観シナリオで31.2%上昇、悲観シナリオで1.0%上昇とする予測を発表。
なお、空室率は13年第4四半期の6.8%から、1年後の14年には4.8%に低下した後、17年に7.6%、20年には4.2%になると予測した。