三菱地所ホーム(株)は、昨年1月に発売した木造制震賃貸住宅「エム・アセット」の販売を強化する。
エムアセットは、もともと耐震性・耐風性に優れたツーバイフォー工法に、独自の制震システム「MRECS(エムレックス)」を組み込んだ賃貸住宅商品。同社が行なった実験によると、地震の揺れを最大50%軽減するとともに、繰り返しの地震に遭遇しても耐力の低下はほとんど見られない。
個別の物件に対して専任のプロジェクトチームが周辺市場やまち並みに合わせて設計対応する。重層テラスタイプや中階段タイプ、片廊下タイプなど、柔軟な対応力が特徴だ。今回、「3階建て」と「賃貸併用」の2タイプを追加。相続対策関連の土地活用などでニーズが増している両タイプをラインアップに加えることで、受注増を狙う。
また、管理は基本的に三菱地所ハウスネット(株)が受託。エム・アセット限定で30年の長期一括借り上げプランを開発するなど、両社で施工から管理まで一貫した体制を整えた。
代表取締役社長の西貝 昇氏は「これまで、賃貸住宅の受注は年間20棟台で推移していたが、2013年度は50棟の受注を見込んでいる。本社に賃貸サポート部門を設置するなどして、14年度は受注80棟を目指す」と語った。
地所ホームとハウスネットの連携のような、三菱地所グループ内での連携強化は、同社が中長期経営計画で掲げた「住宅バリューチェーン」強化の一環。三菱地所(株)常務執行役員の清沢光司氏は「今回の両社の連携強化をきっかけに、オーナーの資産管理需要や、法人オーナーのCRE需要の取り込みを期待している」と話した。